部門紹介

診療内容と対象疾患

 当院外科は5名の常勤医師に加え、数名の非常勤医師の支援を得て外来、入院、内視鏡検査、手術等の診療を実施しています。日本外科学会及び日本消化器外科学会から防衛医大外科の関連施設として認定されており、日本消化器内視鏡学会の指導施設としても認定されています。また、防衛医大および杏林大の外科領域専門研修プログラムの関連施設として、2016年8月から防衛医大外科、2020年12月から杏林大外科の専門研修を当院でも実施しています。

急性腹症に対する治療

 当院外科は救急病院として腹痛等で手術の要否、そのタイミング、さらに高次救急病院へ搬送の是非の判断を必要とする疾患、所謂急性腹症に対し常に臨戦態勢にあるということが一番の特徴であります。そのため救急車受け入れ台数や近隣の病院、クリニックからの紹介件数もかなり多くそれが手術症例数に直結していると言えます。2022年度の当院外科手術症例の約22%はこのような胆嚢炎や虫垂炎、腸閉塞や消化管穿孔といった腹膜炎等の急性腹症に対する手術となっています。

低侵襲手術への取り組み

 また、腹腔鏡手術を中心とした低侵襲手術にも積極的に取り組んでいます。特に2015年度に導入した鼠径ヘルニアに対する腹腔また、腹腔鏡手術を中心とした低侵襲手術にも積極的に取り組んでいます。特に2015年度に導入した鼠径ヘルニアに対する腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP)は増加しており2017年度に年間100例に達し、2022年度には153例に実施しております。2020年度からは腹腔内到達法(TAPP)に加え腹膜外到達法(TEP)も取り入れ幅広いニーズに対応しております。急性疾患である胆嚢炎や虫垂炎に対しても殆どの症例で腹腔鏡下手術を実施しております。さらに胃・大腸癌等の悪性疾患に対しても病期を選んで腹腔鏡下切除術を選択しており、2022年度は手術症例の約60%が腹腔鏡下手術となっています。

悪性腫瘍に対する治療

 一方で悪性腫瘍に対する治療に関しては、がん診療指定病院である防衛医大病院と連携を取りつつ、胃・大腸等の消化器癌に対する手術を実施するとともに、近年多様化してきた化学療法や疼痛管理を中心とした緩和医療にも対応しています。手術件数は2022年度は胃癌11例、大腸癌58例でした。化学療法を積極的に行う必要のある症例に対しては中心静脈がん化学療法用埋込型カテーテル(CVポート)を挿入し、外来あるいは入院にて化学療法を実施しています。近隣のクリニックからのCVポート挿入依頼にも積極的に対応しています。

 緩和医療の一環として、腹水貯留に対する腹水濾過濃縮再静注法(CART)や麻痺性イレウス等に対する高気圧酸素治療(HBO)、経口摂取困難症例に対する胃瘻造設(PEG)も積極的に実施しています。また、通院困難になった患者さんに対しては患者サポートセンターを通じて療養病院や緩和病棟への転院や在宅医療への移行等、癌治療の始まりから終末期医療まで切れ目のない医療の提供に関与することで厚い信頼を得ています。

 このように我々は地域に根ざした病院で近隣の住民の皆さんに安心して医療を受けていただけるよう万全の体制で取り組んでいます。皆さんの御来院を心よりお待ちしております。

認定施設

日本外科学会関連施設
日本消化器外科学会関連施設
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本がん治療認定医機構がん治療認定研修施設

業績(論文・口演等

第61回所沢市東部地区診療連携フォーラム(所沢)、2017年9月25日、内田剛史、
当院外科診療の現状〜ピロリ除菌からがん緩和治療まで〜。

第30回日本内視鏡外科学会総会(京都)、2017年12月9日、土屋智、大草康、内田剛史、松本淳、
EP157-01腹腔鏡観察により診断しえたDe Garengeot Herniaの1例。

第80回日本臨床外科学会総会(品川)、2018年11月24日、川内隆幸、大草康、松本淳、内田剛史、辻本広紀、上野秀樹、
O-116-03当院で経験した胆嚢捻転症の2例。

日本消化器病学会関東支部第354回例会(永田町)、2019年4月13日、田中耕太郎、内田剛史、松本淳、大草康、
27保存的加療で軽快した門脈ガス血症の1例。

所沢市東部地区診療連携フォーラム(所沢)、2019年5月27日、松本淳、
最近の慢性便秘症治療の実態。

日本腹部救急医学会雑誌40(5):633−636、2020、土屋智、上野秀樹、松本淳、辻本広紀、
腹腔鏡と鼠径部切開法との併用で診断治療し得たde Garengeot Herniaの1例。

第82回日本臨床外科学会総会(大阪)、2020年11月22日、下位洋史、中村康弘、松本淳、大草康(所沢中央病院)、関田吉久 佐藤裕理 大倉史典 高西喜重郎(多摩北部医療センター)、
単純性小腸イレウスで発症した外鼠径ヘルニア偽還納の一例

第333回日本外科感染症学会(浅草、web)、2020年11月27日、赤崎卓之、大草 康、松本 淳、中村康弘、下位洋史、上野秀樹、
高齢者手術における術後感染症合併のリスク因子について。

第84回日本臨床外科学会総会(福岡)、2022年11月25日、下位洋史、高木理子、中山快貴、大草康、
鮒田式内視鏡的胃壁固定を行った反復性胃軸捻転症の一例。

第867回外科集談会(東京)、2023年3月18日、 中山快貴、下位洋史、北幸紘、久保徹、高木理子、大草康、 大腸癌の経過中に皮膚腫瘍を発症してLynch症候群の診断に至った2例。 高木理子、大草康、下位洋史、久保徹、中山快貴、 若手外科医におけるTAPP法のラーニングカーブに関する検討。

実績

スタッフ紹介

常勤医師

副院長・外科部長
大草 康(おおくさ やすし)

ご挨拶・モットー

 昭和63年に防衛医大を卒業し自衛隊病院等で勤務した後、平成28年8月に当院に着任しました。消化器一般外科を専門とし、主に消化器疾患を担当しております。

 当院の強みは、院内の他診療科及び近隣の医療機関との連携が充実していることだと考えます。また、日本外科学会及び日本消化器外科学会の専門医制度における防衛医大外科及び杏林大学外科の関連施設として認定され専門研修医の受け入れ態勢を整えております。このような体制の元、外科の精鋭5名とともに、さらに安全で質の高い医療を提供することにより、患者の皆様に安心して治療を受けていただけるよう努めてまいりますのでよろしくお願いいたします。

出身大学
  • 防衛医科大学校(昭和63年卒)
学位・専門医
  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医
  • 日本消化器外科学会指導医・専門医
  • 日本消化器内視鏡学会指導医・専門医
  • ICD制度協議会ICD (インフェクション・コントロール・ドクター)
  • 日本臨床外科学会評議員

下位 洋史(しもい ひろし)

ご挨拶・モットー

消化器・一般外科医として、杏林大学病院、多摩北部医療センター、外科等で修練してまいりました。上下部消化管疾患治療、胆道系疾患治療の他、鼠径ヘルニアや、臍ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニアなど、腹壁ヘルニア手術を担当させていただきます。所沢の皆様のお役に立てます様、頑張ります。宜しくお願いします。

出身大学
  • 杏林大学(平成4年卒)
認定医・専門医等
  • 外科専門医
  • 日本DMAT隊員

久保 徹(くぼ とおる)

ご挨拶・モットー

防衛医大病院・自衛隊病院をはじめとする防衛省関連施設に20年勤務の後、令和4年9月から当院に勤務しています。これまでの経験を生かし、私自身が慣れ親しんだ所沢の地域医療に貢献したいと思います。よろしくお願い致します。

出身大学
  • 防衛医科大学校卒(平成14年卒)
専門領域
  • 消化器外科
認定医・専門医等
  • 医学博士
  • 日本外科学会専門医、指導医
  • 日本消化器外科学会専門医、指導医
  • 日本大腸肛門病学会専門医
  • 緩和ケア研修会 修了

中村 康弘(なかむら やすひろ)

ご挨拶・モットー

医師15年目になります。胃癌や大腸癌をはじめとした癌に関わる診療や、鼠径ヘルニア、虫垂炎、胆石症など一般外科的な分野も担当させていただきます。
通常診療では患者様に寄り添って、なるべく分かりやすい診療を心がけております。何卒よろしくお願い申し上げます。

出身大学
  • 杏林大学(平成21年卒)
専門領域
  • 消化器・一般外科
認定医・専門医等
  • 外科専門医
  • 消化器外科専門医
  • 消化器がん外科治療認定医
  • 難病指定医
  • 緩和ケア研修会 修了

非常勤医師

氏名専門領域 
高畑 りさ一般外科
北 幸紘形成外科
志水 正史血管外科
竹内 昌乳腺外科
関 理枝子乳腺外科
堀口 寛之消化器外科
髙尾 幹也消化器外科

外来担当表